福井のオンリーワン博物館は年縞博物館です。福井に来てNature系を学びたいならここですよ。
福井でネイチャー系で勉強したいなら「福井県年縞博物館」がおすすめ。年縞とは湖沼の底に積み重なった年毎の層を指し、これで過去の気候や環境の変遷がわかります。水月湖の湖底で発見された年縞は7万年分です。7万年ですよ。説明によると20万年前までにアフリカで誕生した現生人類が7万年前ごろから世界に移動しましたが、その活動期間にリンクするように7万年分の年縞が水月湖に記録されています。こんな奇跡的な発見と研究結果を勉強するしかないでしょう。
この夏(2023年8月)に年縞博物館に行ってきました。2度目の訪問ですが、1回目は時間がなく駆け足で見たのが心残りだったので、半日に渡りゆっくりじっくり展示を見学してきました。ヒートアップした体と頭をお隣のcafe縞でクールダウンしてきました。そこで楽しい出会いも…。
ユニークな博物館
まずは展示や水月湖での調査の概要です。
年縞博物館の概要
展示内容:
- 水月湖の年縞に関する展示が中心となっており、7万年にわたる45mの深さの年縞の実物をエポキシ樹脂包埋にした上で、薄切標本として展示しています。
- 水月湖の年縞の成り立ち、日本国内外で観察される年縞、年縞から推定された周辺の気候、古気候学などについての解説・展示が行われています。
- 一部の展示の説明はQRコードを読み取って行われるため、観覧の際はタブレット端末を持参すると便利です。
水月湖の特徴:
- 水月湖は福井県三方上中郡若狭町にある三方五湖の一つで、面積4.06 km2、周囲9.85 km、最大水深38.0 mの汽水湖です。
- 湖底に酸素がないため生物が生息しないことで、年縞がそのまま残されています。
- 湖の底面が沈降し続ける特異な条件のため、水月湖の年縞は「奇跡の堆積物」と呼ばれています。
水月湖の調査:
- 1991年から調査が開始され、2006年に始まったボーリング調査では、湖底の堆積物は70 m以上の深度まで及びました。
- この調査から得られたデータは、2012年にフランスのユネスコ本部で開催された世界放射性炭素会議総会で地質学的年代決定における事実上の世界標準となりました。
この博物館は、その成果を中心とした展示が行われており、多くの研究者や一般の人々にその価値を伝えています[1]。
見て学んだこと
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ここでは年縞がどうして見つかったのか、そこから年縞をどう採取しどう解析したかが勉強できました。
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水月湖の年縞の最大の功績は考古学や地質学における年代測定の「世界標準ものさし」である放射性炭素(炭素14)年代測定の校正データを与えたとでしょう。この年縞に関する研究は1991年から進められ、2012年のユネスコでの会議で評価され、2013年には約5万年までの年代を特定する「世界標準のものさし」として公式に認められました。この結果、年代測定の精度が従来よりも大幅に向上し、多くの学術研究に貢献しているそうです[1]。
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鳥塚貝塚の調査の一環で水月湖をボーリングしたら年縞が見つかったとのこと。cafe縞でお話を伺うと、そこに参加していた学生がその後年縞の研究に打ち込み、現在では世界的に年縞研究を牽引することになる中川毅先生(立命館大学)だとのこと。長年の研究が世界に認められ、更に新設された博物館で市民に教育普及できることは素晴らしいことです。
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年縞を見ていると噴火の影響が多くあることが分かります。朝鮮の白頭山、九州のカルデラ火山など遠く離れても降灰があったことが層に見て取れます。巨大カルデラ火山は影響が甚大だと思いました。
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また、年縞の展示ばかりでなく、年縞の取得方法、年縞の分析方法、採取された花粉から当時の植生の再現もわかりやすく展示されています。
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また他の年代評価の結果、例えば北欧の氷河の知見、珊瑚の年輪の知見と組み合わせるとグローバルに気候変動していたことが分かります。
- 過去の人類の頭骨が展示され、進化上の人類の体サイズが分かります。
- これからの年縞の展示にもびっくりしました。宇宙と気候のつながりの研究の可能性を示す展示ですが、地磁気の回転が雲の量に影響し寒冷化を引き起こすという説がありこの検証に貢献できるのだそうです。
cafe縞
- この日も最高に暑かったのでクールダウンには隣接のcafe縞が最適です。なぜ暑かったかというと博物館の2Fは太陽で照らされ冷房が効いているものの壁や天井からの輻射熱が大きくそれが皮膚の温度を上げ、結果暑さを感じました。また、知的興奮し脳がヒートアップしたことも原因でしょう。
- まったりしているとクッキーをいただき年縞調査や年縞愛の話に花が咲きました。年縞の人を惹きつける力すごいわ。沼にハマりそう。
感想
福井に来たならここは外せない博物館だと胸を張って言えます。また、地元福井の人も必ずしも知らないでしょうから是非訪れて年縞を勉強し、福井の魅力発信に繋げてほしいなと思いました。
また、博物館の役割の一つである市民との連携については十分には分かりませんでした。まだ専門家による研究が中心で市民を巻き込んだ研究になっていないのだとするともったい無いことでしょう。例えば福井市自然史博物館ではホネ部がロードキルなどで届けられた動物の仮剥製を作ったり、市民参加型でツバメの巣の調査を行なっています。年縞博物館もなにか市民と連携や市民科学の手法が取れると市民にファンが増えていいなと思いました。
併せて読みたい本
参考のため載せておきます。時を刻む湖には年縞の年同定の国際共同研究の実際がとてもワクワクしながら読みました。


以上です。