6月第1週のノジコ達。また歌い出したよ

5月中旬以降先週もあまり鳴かなくなったノジコ達だが、今週は3羽がよく囀っていた。これはどういうことだろう。生活史を反映していた行動だろうから、2回目の繁殖のため囀り頻度を高めているのだろうか。

6月第1週のノジコ達。また歌い出したよ

観察日:2023−06−07 6:00~11:00

場所:谷間の廃村に流れる小川沿いの道と脇

天気:晴れ、風無し

観察者:Mr. Hand, Dr. Show & me

今日、ノジコはよく囀りました。

今日の調査目的

  • ノジコの個体毎の鳴き声の差を調べたいので鳴き声をできるだけ多く採取すること。
  • ノジコの行動を調査すること。

方法

  • 川沿いに複数のノジコ達がナワバリを持って繁殖しており、今日は最下流から上流に向けて録音しながらノジコの声を採録しました。連続して囀っているなら最長1個体あたり1時間程度としました。
  • この時期、ノジコは何時から何時までどの程度の頻度で囀るのかわかっていないので、出会った順に一羽毎時間をかけて録音しました。
  • 用いた機材は下記の通り:
    • 録音機:H6(zoom)
    • マイク:Rode NT4(ステレオマイク)
    • 集音器:Sony PRB-400 (三脚あり)
    • フォーマット:WAV、44.1kHz, 16bitステレオ

結果

  • 最下流から始めましたがそこの一羽(ここではノジコ1)が長く囀っていたので、まずそれを録音しました。
  • このノジコ1の足輪は無し。
  • ノジコ1の録音時間は6:33〜7:27、7:29〜7:45、
  • 民家付近では鳴き声は短く聞いたものの、囀り録音はできなかった(同行者の観察あり)
  • 砂防堤付近で同時に2羽の囀りの声がしました。
  • 砂防堤下流側の個体はあまり移動せず割りに長く囀った(ノジコ2)。
  • ノジコ2の足輪無し。左足の跗蹠(ふしょ、ふせき:踵から趾の付け根までの部分。英名はtarsus)には何もついていませんでした。
  • ノジコ2の録音時間:8:18〜8:22、8:23〜8:28、8:29〜8:33、8:34〜09:02、8:34〜9:02
  • ノジコ3の録音時間:9:09〜9:11、9:13〜9:14、
  • 砂防堤上流側の個体は100mぐらい離れたところを移動しながら囀りをした。必ずしも梢のてっぺんでなくわりに見にくい場所で囀った。

以下、詳細な観察結果を記す。

最下流の1個体

  • この個体は長い時間(1時間以上)連続して鳴いていた。この個体は一本のハリエンジュ(ニセアカシア)の天辺付近に長く滞在し、その間よく囀っていた。囀りと囀りの間に梢を移動しながら葉の裏を探ったり啄んだりしいていた。囀りながらも餌を取っていたのかもしれない。この個体の移動は少なく、観察時間内ではナワバリ境界に作られるというで複数のソングポストを移動して囀った様には見えなかった。
  • 先週の観察でもこの付近で長く鳴いているノジコがおり同じ個体かもしれない。同じ個体だとするとナワバリは持つがパートナーのいない雄が、メスを探して囀りしているのかもしれない。
  • ナワバリ防衛のための移動よりメス獲得のため留まって囀りをしていると考えると合理的である。

砂防堤付近の複数個体

  • 高圧線の下の砂防堤には足輪をしていないノジコの雄が少なくとも二羽いました。
  • どちらも7:30過ぎぐらいからソングポストと思われる杉の天辺とかに止まって囀りだしました。
  • 砂防堤下流側の個体は囀りをしては20〜30mぐらい移動しながら川原に生える中高木のオニグルミに止まって囀りをしていた。あまり大きくは動かなかった印象。これを2番目に見つけたのでノジコ2と呼ぶこととします。
  • 他方、砂防堤の上流側の一羽はよく移動して囀りしていた。これをノジコ3と呼ぶことにします。囀り場所は必ずしも付近で一番高い木の上に止まって鳴くのではなく、杉と杉の間にある一段下がった灌木の上で鳴くなどしていた。
  • このノジコ3はナワバリを防衛してる感じがしましたが、ソングポストが低いところから被食を避けている様にも思えた。少しシャイなのでしょうか。
  • ノジコ2とノジコ3の2個体は囀りが異なる気がした。これは今後の分析で明らかにしたい。
  • その後、ノジコ2とノジコ3の鳴いている場所の中間で、杉の高木の上で囀りかつ移動するノジコの囀りを録音しました。これは1時間ぐらいみたノジコ2とは何か雰囲気が違うのでノジコ4としました。
  • ノジコ2、3、4はどれも足輪無しですが、同行者によるとノジコ2とノジコ4は同一個体とのこと。これは決着がついていないので、ここでは区別することにしました。

砂防堤のノジコの振る舞いの違い

ソングポスト移動距離座標
ノジコ2高い木があるが灌木の天辺付近20〜30mαQ51, αS57
ノジコ3高い木があるが灌木の天辺付近100mぐらいβU1, βU2, αU62, αU55
ノジコ4高い杉の天辺100mぐらいβW3, αT60

※座標マップ(非公開)

録音ファイル

datestartstop種名個体番号座標
230607061739061825エゾセンニュウ
230607062133062210エゾセンニュウ
230607062227062303エゾセンニュウ
230607062553062830ホオジロ
230607063351072730ノジコ1αY-1
230607072940074546ノジコ1αY-1
230607080521080739ホトトギス
230607081514082333ノジコ2αQ51
230607082349082734ノジコ2αQ51
230607082953083332ノジコ2αQ51
230607083428090219ノジコ2αQ51
230607090840091138ノジコ3βU1
230607091321091446ノジコ3βU2
230607092747093303ノジコ3βU1
230607093351093426ノジコ3?βW3
230607093532094827ノジコ4βW3
230607095408095504ノジコ2?αS57
230607095732100320ノジコ3?αU55
230607100357100831ノジコ4αT60
230607101327101344ノジコ4αT60

観察種

あまり真面目に記録しなかったのですがこんな感じです。

  1. エゾセンニュウ

  2. ホオジロ

  3. ホトトギス

  4. ウグイス

  5. メジロ

  6. シジュウカラ

  7. トラツグミ

  8. キセキレイ

  9. アオゲラ

  10. ヤブサメ

  11. キジバト

  12. イカル

  13. オオアカゲラ

  14. モズ

  15. ノジコ

  16. アカショウビン

  17. トビ

  18. ヤマガラ

  19. アオバト

その他

オオアカゲラがオス、メスで背の低い灌木に飛んできました。しばらく動かなかったのですが、幹には黒字に白の班が入っており、これがオオアカゲラの背の色にそっくり。後ろから見るとオオアカゲラは木に溶け込んで見失いそうでした。明らかにカモフラージュになっています。アカゲラ類の背中にこんな秘密があるとは知りませんでした。

以上

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